やっぱり単なる日記

日常のあれこれと登山や旅行の記録。

吉田修一『怒り(上)』を読んで―伝えることは難しい。でも最初からそれを諦めてもいいのか?

昨年の秋、友人と見に行った映画『怒り』。
「人を信じ切ることができるのか」というテーマを感じ取った映画だったが、印象に残る映画だった。↓
http://azmst.blog91.fc2.com/blog-entry-1072.html

その原作、吉田修一『怒り』を図書館で予約していたのだが、思ったよりも早く順番が回ってきた。
昨日は長く電車に乗ったし、今日は花粉症の症状もあるし、自宅の廊下で滑って階段の手すりに喉を強打したこともあり
家でおとなしくしていたので上巻を読み終えることができた。

吉田修一という作家の本は初めて読んだが、表現力が豊かですごい。
たとえば沖縄の離島の満天の星空の描写はこんな風だ。

「これまで見ていた普通の星空が、ミルフィーユのように何層も重なっているように見える。
泉はいつもそこに自分の腕を差し込んでみたくなる。
ズブズブとどこまでも深く差し込まれる腕には、チクチクするような星々の感触がある。」

そして、映画では「人を信じ切ることができるのか」というところがクローズアップされていたように思うが、
もちろん原作でもその部分もあるのだが、上巻を読み切ったところまでで繰り返し出てくるテーマが、

自分の本気の「怒り」を他人に伝えることは難しい。だからといって最初から伝えることを諦めてしまっていいのか?

という問いかけだったように思う。

どうせ他人だから分かってくれない。
どうせ他人には伝わらないんだから伝えようとしても無駄。
なんであんなに怒って…、本気になってるんだろ。みっともない。恥ずかしいな。

こんな生き方考え方が自分の中にもある。
この小説に出てくる人たちもそうだ。
そんな問いかけを感じたセリフを以下に抜き出してみる。

「山神という男は何かに怒ったところで、結局その状況は良くならないと思っているんじゃないでしょうか。
だから怒っている人っちが愚かに見えるというか、こうはなりたくないというか……、すべてを諦めてしまった人間のような……」

「……戦っても仕方ねえだろ。俺が必死に愛子のことを守ろうとすればするほど、笑われるんだよ。」

「この前、チベットの僧侶が焼身自殺したってニュース見たんだ。
死ぬほど嫌だって気持ちって、いったいどんな気持ちなんだろって思った。
すげー悔しいとか、悲しいとか、情けないとか、そんな簡単なものじゃないんだよな。俺は本気なんだって。
本気で怒ってるんだって。でもさ、それを死なないで相手に伝えることってできないのかなって。
でも、無理なんだろうね。」

「私、戦えないよ。……だって、私、そんなに強くないもん」
「私がどんなに恐ろしかったか、どんなに悲しいか、誰も分かってくれないんだよね?
いくら訴えても……、伝わらないんだよね?悔しい思いするだけだよね?」

「友香ちゃんは分かってくれる側の人間だからそう言ってくれたんだよ。
分かる人は言わなくても分かってくれる。分からない人はいくら説明しても分かってくれない」
「なぁ、分からない人に伝える方法ってないのかな?」
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  1. 2017/02/26(日) 23:57:09|
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東風吹かば匂いおこせよ梅の花―スギ花粉に警戒しつつ湯河原・幕山

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12月に湯河原でみかん狩りと城山ハイキングをした際に、隣の幕山の梅林が花の時期には雲のように咲きそろうと教えてもらい、
その景観をぜひとも見てみたくて企画した今回の幕山ハイキング。

梅の花の時期はちょうどスギ花粉の飛散の時期と重なるのでスギ花粉症の自分にとってはあまり外出したくない時期だ。
ただスギ花粉の時期山に出かけないという選択をすると、1年の内2ヶ月間は活動を停止することになる。
1年の1/6は活動停止しているということになり、それはつまり人生の1/6は活動停止していることになってしまう。
と思い直して、海の方向からはスギ花粉が飛散してこない湯河原の幕山に出かけようと企画したのだ。

12月とは打って変わって大混雑の湯河原駅。
幕山公園までは臨時バスが増便しているもののそれでも超満員だった。
バスから見ると、幕山公園の駐車場に入る車で渋滞ができていた。
湯河原の梅林ってこんなにも人気だったんだなと感心した。
バス停で降りるともう目の前には裾野を淡く染め上げた幕山が目の前にあった。
幕山公園からこの梅林に上がり、そのまま幕山に直登する人が多いようだったが、今回は新崎川を遡り、右回りに登ることにする。
梅林が途切れるとすぐに人は少なくなり、川沿いにはスギの林もあり戦々恐々だ。
ただ、雄花が付いていない枝も多く、今年は花粉飛散は少ないかなと期待する。

大石ヶ平に近づくと大観山~星ヶ山の方面なのだろうか、山頂がハコネザサに覆われている山が見えてきて
いよいよ箱根外輪山だなぁと気分がよくなる。
周囲はハコネザサと灌木が多く、奥多摩付近と違いスギの人工林が少ないのでそれだけでも安心できる。
ただ念のためマスクは外さずに登る。
マスクを外さなくても苦しくならない程度の山でよかった。
途中すれ違った人から「山頂は、新宿か渋谷か原宿かという感じですよ」と教えてもらったが、
確かに山頂は休憩する場所も見つけられないほどの混雑具合だった。
自分の中の感覚で表現するならばこれは秋の高尾山だ。
今日は梅林が目的だしスギ花粉の時期なのでここから湯河原梅林に下ったが、今度来るときは箱根外輪山をもう少し巡り、
南郷山方面まで足を延ばしてみたいなと思った。

湯河原の梅林まで下りつつ梅の花をじっくりと堪能。
去年に比べると花が少なめとのことだったが、初めてなのでこれでも斜面にこれだけ広がる梅の花の雲は圧巻だった。
思えばスギ花粉症になってから20年、この時期の外出を避けていたので梅林というものをじっくりと見たことがなかったかもしれない。
「東風(こち)吹かば匂いおこせよ梅の花主なしとて春な忘れそ」。
主がいなくなっても春に咲くのを忘れてくれるなという歌だが、春が来れば主がいなくなっても…人がいなくなっても、
花は咲いていくんだなぁと思う。

その後は湯河原駅まで一度戻り、最近湯河原の名物として売り出し中らしい「担々焼きそば」を食べに行く。
駅前でもらった「担々焼きそばマップ」を参考に何軒か回り、桜エビが入った担々焼きそばが食べられる「餃子ショップ」で食べることにした。
外見からするとカウンター席しかないのかなという感じの店だったが中に入ると広々としたテーブル席のある落ち着ける店で、
友人たちと食後もしばし和む。
その後もう一度バスに乗り日帰り温泉「こごめの湯」でゆっくりして、最後は小田原で海鮮丼。
一人で山に行くと山に登った後は即行帰ってしまうのでこういう楽しみがない。
友人たちと行くと山に登った後も楽しみが沢山あっていいなと思う。
そして、海が近いからか、気温がそんなに上がらなかったからか、まだそんなにピークに達していないためか、
心配していたスギ花粉症の症状もほとんどなく、この時期思い切って山に出かけてみてよかったなと思った。

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  1. 2017/02/25(土) 23:59:02|
  2. 登山・トレッキング
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プレミアムなフライデー

歳を取るともに世間の動きから目をそらすようになっているのか、「プレミアムフライデー」つい2・3日前まで知らなかった。
なんでも毎月末の金曜日は午後3時での終業を推奨しているらしく、今日がそのスタートの日なのだそうだ。
午後3時以降は有休ということになるのか、それとも勤務時間の短縮で対応するのかよく分からないが、
窓口のある職場なので午後3時で終業というわけにはいかないため案内もなかった。

そもそも午後3時での終業推奨は労働時間の短縮を目的にしているのか、経済効果を目的にしているのか、どうなんだろう?
労働時間の短縮が目的なら有給休暇の消化の義務化を進めればいいし、
経済効果が目的なら、少し早く終業したところで経済活動をするかどうか分からない。
しかも、経済効果を目的にしているのなら、そのサービスを提供しているところはプレミアムフライデーなんて導入できない。
どちらにしても有給休暇の消化率アップの方法を考えたほうがいい気がする。

今日はプレミアムフライデーですね~、午後3時以降は仕事しなくていいのかな~なんて冗談を言い合い、
午後3時以降は少しは窓口が空くのかななんて期待していたのだが、午後3時で終業する企業が多少はあるのか
午前中からやたら窓口が混み合う。
しかも現場に出てしまう人も多く対応する人数が少なくめちゃくちゃ忙しい。
しかも午後4時くらいに緊急連絡が入り、自分も現場に出なくてはならなくなった。
現場から戻ると後輩が「残業しないんですか?」なんて聞いてきたけど、いやいやもうけっこうです。

「いやぁ今日はほんとにプレミアムなフライデーでしたねぇ~」と冗談をいいつつ帰宅したが、
プレミアムフライデー今後どうなるんだろう?

テーマ:時事ネタ - ジャンル:ニュース

  1. 2017/02/24(金) 23:59:25|
  2. 近頃のニュースについて
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『春一番』は気象災害を引き起こすかもしれないのに…なんだか生温い印象

今日は日本海側を低気圧が進み、南高北低型の気圧配置。
サハリン付近に向かって進む低気圧は発達し、今日は南風が強まる予報だった。

立春から春分までの間に吹く風速8m/s以上の強い南風=「春一番」が観測される可能性が高く、
実際に関東地方で「春一番」が観測された。

平日はNHKニュースおはよう日本の最後の気象情報を見てから出勤するのだが、
その春一番が観測されるかもという予報の後に、男性アナウンサーが女性アナウンサーに
(春一番を)歌ってみますか?(笑)」と話しかけ番組が終わった。

うーん、「春一番」って気象災害を引き起こす暴風なんだけどなぁ。
諸説あるが、安政年間に壱岐で漁船が転覆し死者が大勢発生したのをきっかけに名前が付いたというのが有名なように
春一番は気象災害を起こすかもしれない強い春先の南風に警戒するように付けられた名称である。
漁船が転覆するかもしれないし、建設現場で足場が崩壊するかもしれないのである。
だからアナウンサーとしては「今日は暴風に警戒してください」といってニュース番組は終わらなけらばならないと思う。

「春一番」がこんな春を運んでくる生温い風のイメージになったのは、アナウンサーが「歌ってみますか?」と言っていた
キャンディーズの「春一番」が原因だろう。

雪がとけて川になって流れていきます
つくしの子がはずかしげに顔を出します
もうすぐ春ですね
ちょっと気取ってみませんか
風が吹いて暖かさを運んできました
(中略)
重いコート脱いで出かけませんか
もうすぐ春ですね
恋をしてみませんか

もうすぐ春が来ることを知らせるゆる~い南風のイメージだ。
キャンディーズがリリースした当時のことは知らないが、1980年代にドラえもんを見ていると、
グリコのポップキャンというアイスのCMでこの曲が使われていたのでよく覚えている。

もちろんこの曲は名曲だし、この曲に罪があるわけではない。
ただ、歌詞の中には「春一番」とは出てこないし、内容からしても題名は「春風」でよかったんじゃないかと思う。
ともかくニュース番組なんだから春一番の予報の時は「警戒してください」と呼びかけなきゃねと思った次第である。

「春一番」という名称が緩いイメージになっているんだから、別の名称を考えてもいいんじゃないかと思う。
それを考えると、急速に発達する温帯低気圧にメディアが使い始めた「爆弾低気圧」というのは警戒させるという意味では
なかなかいい名称だ。
「春一番」の別の名称…「春暴風」くらいしか思い浮かばないなぁ。

テーマ:時事ネタ - ジャンル:ニュース

  1. 2017/02/17(金) 23:59:43|
  2. 季節・日々のあれこれ
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猛烈寒波で地吹雪の奥鬼怒・日光澤温泉で世界が広がる

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(友人Ms撮影)

鳥取市で33年ぶりの大雪となるほどの寒波だったこの週末。
栃木県西部、群馬県と福島県境に近い奥鬼怒温泉郷の日光澤温泉へ行ってきた。
ここは冬場は雪の中、女夫渕バス停から歩いてしか到着できない温泉のようだ。
今回友人がこの日光澤温泉にスノーハイクに行くということで誘ってもらった。
しかも今回一緒に行くことになる友人の友人がスノーシューまで用意してくれるとのことで至れり尽くせりのありがたいお誘いだ。
スノーシューでのスノーハイクは5年前に北八ヶ岳で体験をした()のが最初で最後になってしまっていたので
今回の計画は前々からかなり楽しみにしていた。

女夫渕バス停から日光澤温泉までは沢沿いのハイキングコースなので、スノーハイク初心者にも安心なコースになっている。
鬼怒川温泉駅では関東地方の冬晴れだったが、2時間弱バスに乗り女夫渕バス停に到着すると、
陽は出ているもののなんとなく日本海側から雪雲が流れてくる感じだった。
そして周囲は完全な雪景色。
この辺りはもう日本海側の気候帯に入るのだろう。
スノーシューがなければ歩くのが困難なほどの積雪量だが、スノーシューを履くとこの雪の上を歩くのがすごく楽しくなるのだ。
しかも完全なる粉雪。
気温が低いので靴などについても融けることがないのでまるで砂だ。
5年前の北八ヶ岳でも思ったのだが、こういうサラサラの雪だったら本当に歩いていて楽しい。
歩くたびにキュッキュッという音がする。

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(友人Ms撮影)

途中凍り付いた滝や川の岩の上に大福のように積もった雪を見たり、ふかふかの雪の上でココアを飲んだりとゆっくりとスノーハイクを楽しむ。
ココアを用意してくれた友人の友人は「女子力」が高めなので、ココアの上に生クリームとチョコレートソースのトッピングまで用意してくれていた。
雪山の中でカフェで飲むようなこんなおいしいココアが飲めるなんて幸せだ。

今まで縁がなくてゲレンデスキーをしたことがなく、でも雪山を「歩く」バックカントリースキーには興味があり、
友人にその話をしたらまずゲレンデスキーができなければバックカントリーは無理じゃないかとのこと。
たしかに、雪山を「歩く」のではなく「滑る」のだから、ゲレンデスキーの技術がなければ無理なのかもしれない。
だから雪山を歩きたいと思っていた自分にとっての理想はこのスノーシューだったのだ。
ときおり強風が吹くと積もった粉雪が舞い上がり吹き付けてくる。
地吹雪は初体験なので、寒いけどなんだか楽しい。

日光澤温泉へ行く途中には、八丁の湯と加仁湯がありこの2つの温泉宿までは大型のバスでも入れるようだった。
特に加仁湯は宿自体も大型の温泉ホテルのような作りで、この2つの内だったらロッジ風の八丁の湯の方が風情があるかなと思った。
そして到着した日光澤温泉は、和風の宿。
宿の入口に初めて尾瀬に行ったときに使った「大清水」のバス停の時刻表が貼ってあり、
「あれ?大清水の時刻表だ」と話していると、宿の方が夏場はここから大清水へ行く人も多いと教えてくれた。
後で食堂に貼ってあった地形図を見てみると確かにここはもう尾瀬の入口のひとつである大清水にもかなり近いのだ。
夏場に日光澤温泉から鬼怒沼を経て尾瀬沼へ行くのもいいかもしれないと思った。

日光澤温泉は秋田の乳頭温泉の鶴の湯のような雰囲気で落ち着く温泉宿だった。
しかも温泉もしっかりと白濁した硫黄泉で、泉温もちょうどよくゆっくりと浸かることができる。
浸かっている間も雪はみるみる降り積もる。
そして、髪の毛も凍り付くほどの寒さだが、それも楽しい。
温泉に浸かりながらゆっくりと会話を楽しみ、友人の友人とも仲良くなることができ嬉しかった。

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(友人Yt撮影)

鳥取市で33年ぶりの大雪となるほどの寒波のせいか2日目はずっと雪だった。
昨日より少なくても20㎝は積雪深は増えているかなという印象だ。
サラサラの粉雪が降る中を歩くのは初めてだったが、思っていた以上に快適だった。
粉雪なので雨具にまとわりつくこともなく、気温が低いので汗もかかない。
そして昨日よりも風がなかったので寒すぎなかったのがよかった。
ケラ(キツツキ)の仲間がドラミングをしていたり、コガラがハンノキの実をついばんでいたり、
そのハンノキの実の上に帽子のように雪が積もっていたり、そんなことを教えてくれる友人と歩いていると、
先週あった職場の嫌なことなんかもなんだか本当のことだったのか分からなくなるほど、どうでもいいことになった。

帰りは鬼怒川温泉の日帰り入浴も楽しむ。
風は寒いが確実に強くなってきた晩冬の陽射しを浴びながら、日光澤温泉とは違うアルカリ性単純泉の露天風呂に浸かる。
今回こんな楽しいスノーシュー体験ができたのも誘ってくれた友人と、そして遠くからスノーシューを担いできてくれた友人のお陰だ。
友人が増えるということは自分の世界が広がることなのだ。
そして、今年は去年よりもっといい年になりそうだなと思った。

テーマ:山登り - ジャンル:趣味・実用

  1. 2017/02/12(日) 23:59:43|
  2. 登山・トレッキング
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