やっぱり単なる日記

日常のあれこれと登山や旅行の記録。

湊かなえ『豆の上で眠る』を読んで

今日は一日冷たい雨で、家のリフォームの関係でネットもつながらなかったので、久しぶりに一日中読書。

思春期の子供の実態の描写がうまい湊かなえの『豆の上で眠る』を読んだ。

2年間失踪してしまった姉が帰還する。
でもどうも失踪前の姉と違っているような気がする。

ということで、結果的に失踪前の姉と帰還した姉は別の人間だったという種明かしで物語は終了してしまうのだが、
これにはちょっとがっかり。
同じ人間だけど、2年間も空白があると別の人間に感じてしまう…
帰還した姉と失踪前の姉を比較してしまい、失踪前の姉のいい部分ばかり記憶していて、帰還した姉のことを好きになれない…
というのはリアリティがあるなぁと思って読んでいたので。

しかも、その2年間というのが小学校3年生~小学校5年生なのである。
この成長期の2年間経てばまるっきり別の人間のようになってしまってもおかしくない。
自分の兄弟のことを考えてみても、連続しているから同じ人間だと分かっているが、もし空白期間があったら
別の人間かと思うほど性格が変わっている部分もあるものだ。

実際、主人公は快活な性格だったのが、この姉の失踪事件をきっかけに内気な性格に変わってしまう。
その原因になったのは同級生の態度の変化などが原因で、このあたりがものすごくリアリティがある。
さすがは湊かなえだ。

目立ちたくて誘拐犯を見たと虚言をし、本当のことを証言した同級生を嘘つき呼ばわりする上級生とかいかにもいそうだし、
大人は何も分かっていないと思っている小学校1年生はけっこういろいろ分かっているというようなところも
実際そうだなぁと感心した。

自分も小学校1・2年生の時の担任の教師が、他の教師からの評価を気にしてかなり焦っているなというのを感じていた。
例えば、遠足の時集団で食べるのが嫌で友人と2人で離れたところで食べていたら必死になって皆と一緒に食べろと言われたことがあったが、
教師が自分の指導力不足を他の教師から指摘されたくないからだろうなということは分かったものだ。

リアリティのある部分が秀逸なので、逆に誘拐された子供が誘拐した人間のことを好きになってしまい(もしくはかわいそうに思って?)
2年間も一緒に暮らすとかいうあたりにちょっとありえないなと思ってしまうのである。

いつも親から虐げられいたとか、貧乏暮らしだったとか、誘拐された時に親に叱られたばかりだったとか、
妹と大喧嘩したばかりだったとかなら、他の家で暮らしちゃおうかなと思うこともあるかもしれないが、
何不自由ない暮らしで、親からも祖父母からもかわいがられ、しかも妹と楽しく遊んだ後に全然知らない人に連れされられて
いくら「肉親」だと説明されてもそちらで暮らしたいと思うのか?思わないだろうなぁ。

そこはまぁ眼をつぶるとしても最後の2時間ドラマの伏線回収のような章はすべて省いて、
戻ってきた姉はやっぱり本物だったというところで終わっていた方がすごくすっきりしたと思う。

戻ってきた姉は本物なんだけれど、一度失踪事件=誘拐事件というショッキングな出来事があると、
仲の良かった姉妹、仲の良かった家族というものは元には戻れないのだ。

という方が、本作の「本物っていったいなんだろう」という趣旨にも合ってくると思う。
大好きだった姉は、同じ人間なんだけれども、もう戻っては来ないのだということで。
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テーマ:読んだ本の感想等 - ジャンル:小説・文学

  1. 2014/10/22(水) 23:59:59|
  2. TV・ラジオ・音楽・本・映画
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だから「滝」子山だったのか…―渓谷美と雲海の滝子山

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先週に続いてまた週末に台風が向かってきている。
が、日曜日まではなんとか天気が持ちそうなので前から計画している山行を決行することにした。
今回一緒に行く友人は忙しいので1回チャンスを逃すとまたいつ行けるか分からないからである。

朝起きてみると予報以上に天気が悪い感じだったが、家にいるよりは歩いている方が気分がいいだろうと思うことにした。
行きの中央本線は乗りなれた115系ではなく211系だった。
最近この211系がたまに走っているが運用形態に変更があったのだろうか。
中央線車内から見る扇山や百倉山の山頂も当然雲に隠れていて、これは予定を変えて岩殿山にしてしまおうかという話も出たが、
岩殿山程度の歩きで山頂の展望がなければ何にも満足できそうもないので、やはり予定通り滝子山へ登ることにした。

滝子山へ登山口へは笹子駅から甲州街道(R20)を少し歩く必要がある。
その間にコンビニはないので、その間にあるみどり屋で笹子餅を買うか、笹一酒造で何かを買うしかないが、
前に笹子雁ヶ腹摺山に登った時はみどり屋だったので今回は笹一酒造で食糧調達をすることにした。
こんな天気なのに滝子山へ向かう登山者はかなり多く驚いた。
かなり人気の山なのだ。

笹子駅から滝子山へ登ると滝がたくさんあるとは調べていたが、こんなにも滝があるとは思ってもみなかった。
だから「滝」子山なのか…と思ってしまったほどである。

最初の内は周囲が人工林なので渓谷の美しさは半減してしまっている。
これで周囲が自然林だったら西沢渓谷並みのの景勝地になりそうだ。
そして、いよいよ周囲が自然林になってからの渓谷はかなりの見応えがあった。
三丈の滝とモチガ滝は名前がついているが、それ以外にもたくさんの滝がある。
途中分岐があり迂回路が設けられているが「難路」と書かれている方に行かないとモチガ滝には出会えない。
ただ「難路」と書かれているだけあって、花崗岩の風化した砂が堆積した斜面になっているので、
そういう所を歩きなれていない人は大変かもしれない。

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モチガ滝を過ぎると傾斜がゆるやかになり、防火帯まで来ると山頂はもうすぐだ。
この辺りから陽が射し始めてなんだかいい感じだなと思っていた。
そして南側が望める尾根まで出ると目の前に期待していなかった富士山がくっきりと見えていて、
思わず「おっ」と声が出てしまった。

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今日の曇天は北東気流による低い雲が中心だったようで、だいたい1500m以上は雲の上に出ていたようだ。
東の方を見るとまるで島のように雲から出た峰があり、位置からすると丹沢なので、たぶん主峰蛭ヶ岳1673mだろう。

山頂はけっこう狭いのだが、陽が射していて展望もよくかなり気分がいいので、1時間弱ゆっくりした。
他の登山者も長居しているような感じだった。
期待していなかった分、こんな展望が開けていると感動もひとしおだ。

初狩駅方面に下りだすと、50mも下らないうちに雲の中に突入。
滝子山の山頂が雲から出ていたのは本当に僥倖だったのだ。
ただこのブナ林・ミズナラ林を歩くのには霧に霞んだ光景はなかなかに美しかった。
この霞んだ中を歩いていると山頂があんなにも晴れているとは思いもよらないだろう。

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それにしても今日は諦めずに滝子山に登ってよかった。
今年宝永山から眺めた富士山の次にいい富士山だった。

テーマ:登山 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2014/10/12(日) 23:59:18|
  2. 登山・トレッキング
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フジアザミとトリカブトだらけの秋の三ッ峠山~天上山

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↑御坂山地はブナとミズナラ林がきれいだ

この週末はは浅間山とか丹沢とか考えていたのだが、天候とかいろいろ考慮してお手軽な三ッ峠山にすることにした。
三ッ峠山に2年前の春に登ったときは富士急行三つ峠駅に下ったので今回は天上山方面に縦走して
河口湖畔に戻るコースを歩いてみることにした。

車で行き河口湖畔の山梨県営河口湖無料駐車場(富士河口湖町船津地域の県営駐車場)に停め、
天下茶屋行のバスに乗り三ッ峠登山口バス停で下車。
そして三ッ峠山~霜山~天上山を経て下山するというコースを取るとちょうど県営駐車場に戻ることができる。

今日は朝から曇り空で、道志みち(国道413号)で向かうと丹沢あたりもひどく雲が垂れ込めていて、
登るのにそこそこ時間のかかる蛭ヶ岳にしなくてよかったなと思った。
県営河口湖無料駐車場に停めてバス停に向かおうとすると県営駐車場内なのに
なぜか小屋を設営しているボート屋のおやじが三ッ峠に行くのかと聞いてきた。
そうだと答えると「なんぼ無料駐車場と言っても2時間までなんだ」と繰り返し
トンネルの向こうに駐車場があるからそこへ停めろという。
県営駐車場で無料と書いてあるのだからボート屋のおやじの管轄外だと思うのだが、
なんだか悲壮感も漂っていることだしボート屋の経営も厳しいのだろうと思い、
言われた「トンネルの先の駐車場」に停めることにした。
後からネットで調べてみると山梨県観光部観光資源課に県営駐車場の私物化について苦情が入っているようだ。↓
http://www.pref.yamanashi.jp/quick/2007/0729.html

トンネルの先には県営の駐車場が何箇所かあったが、産屋ヶ崎バス停に近いところに停めそこからバスに乗った。
今日はこんな天気にも関わらず臨時バスが出たようで、1台先に通過してしまったので間違って次に来た
芦川農産物直売所行のバスに乗ろうとしてしまったのだが、運転手が親切にも無線連絡を取ってくれ、
天下茶屋行のバスはすぐ来ると教えてくれた。

三ッ峠登山口から三ッ峠山頂までは山上の山小屋の荷揚げの林道なのでゆるやかな登山道だ。
ゆるゆると登っているうちに山頂についてしまう。
前に来た春とはまた違った雰囲気で、フジアザミとトリカブトがやたらと目につく。
特に三ッ峠山頂=開運山にはフジアザミのかなりの大株の群落がたくさんあった。
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そして三ッ峠も、高尾山、丹沢塔ノ岳、箱根金時山と同じような感じで10代っぽい登山者が多い。
前に偶然テレビを見ていたら「ヤマノススメ」というアニメで三ッ峠をやっていたが、そういう影響もあるのかもしれない。

ここからは初めての天上山に向けての縦走だ。
高いとこから緩やかに下っていく稜線なので秋の気配を感じながら心地よい。
枯葉の香りがすると幼稚園生の頃に枯葉を拾って遊んだことを思い出す。
同じ御坂山地の黒岳に行ったときはブナが多かったが、三ッ峠付近にも少しはブナがあるようだ。
そしてそのブナやミズナラの葉も全体的に少し黄味がかかってきておりそこに時折陽が射すとすごくきれいだった。
今日はまったく富士山は見えなかったが、ミズナラ林を中心とした稜線歩きはストレス解消にはもってこいだった。

県営河口湖無料駐車場に停められなかったので、天上山から下りたところから産屋ヶ崎までは湖畔を歩くことになるが、
車道横を歩かなければいけないと覚悟していた。
ところが湖畔沿いには遊歩道が整備されていて歩きやすく、30分弱河口湖を眺めながら歩くのも気分がいい。
この遊歩道の存在を知ることができただけでもあのボート屋のおやじに感謝せねばなるまい。

帰りは山中湖温泉紅富士の湯に寄る。
なんだか最近混んでいる日帰り温泉は苦手になってきた。
そして、山中湖畔の小作でほうとうを食べる。
先週は甲府の小作でほうとうを食べたので、2週連続で小作のほうとうである。

テーマ:登山 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2014/10/04(土) 23:59:24|
  2. 登山・トレッキング
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