やっぱり単なる日記

日常のあれこれと登山や旅行の記録。

御岳山のレンゲショウマ―夏の終わりの寂しさといい思い出と

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↑レンゲショウマの花には霞がよく似合う

結局オホーツク海高気圧が居座り、関東地方の今年の8月は雨のまま終わりそうだ。
東京地方は8月1日から昨日まで連続して18日間雨が続いており、8月の連続降水記録としてはこのままいけば
1977年の22日の記録に並ぶそうだ。
今年のオホーツク海高気圧は、8月の連続降水記録の更新に挑戦中らしい。

天気が安定しないので今週末も特に予定は入れずにいたのだが、
友人から御岳山にレンゲショウマを見に行こうとの嬉しいお誘いが。
御岳山のレンゲショウマは有名なので聞いたことはあったのだが、
夏場に御岳山に行こうと思うことがなかったので見たことがなかった。
今年は8月に入ってから不順な天候が続いているので例年より開花も遅れていて今ぐらいからが見頃になっているようだ。
今日は午後から雷雨の予報だったので、御岳山でレンゲショウマを見るくらいのハイキングならなんとか天気も持ちそうだ。

待ち合わせたホリデー快速おくたま号もこの時期にしては空いていた。
不安定な天気なのでハイカーも山行を見合わせているのかもしれない。
今日は曇天ながら南海上からの湿った空気が入り込んでいて蒸し暑いし、
なるべく早く下山してくるために往復ともケーブルカーを利用。
ホリデー快速おくたま号が空いていた割にはバスもケーブルカーも思ったよりも混んでいて、
これはレンゲショウマが見頃を迎えているからのようだ。

御岳山のレンゲショウマはなんとなくイメージからロックガーデンのところに咲いているのかと思っていたら、
ケーブルカーの駅からすぐの富士峰園地のところが群生地のようだ。
最初に武蔵御嶽神社に参拝することにし、途中のビジターセンターでレンゲショウマの咲いている場所を確認したら
神社の参道の階段や本社の裏にも群落があるとのこと。
さっそく本社へと向かっていくと、随身門のあたりでもう咲いているのを見つけた。

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もっと小さくて可憐なのかと思っていたのだが、草丈も大きく花も大きい。
想像しているのと実際見てみるのとは大違いだ。
花もなんだか不思議な美しさを持っていて初めて見る雰囲気だったのだが、
自分の知っている植物で一番近いのはシュウメイギクだったので、キンポウゲ科かな?と思った。
後で調べてみたらキンポウゲ科レンゲショウマ属の1属1種であり、東北地方南部~近畿地方の太平洋側の温帯域に分布し、
複数の都道府県でレッドリストの絶滅危惧種に指定されているとのことだ。
田中澄江の『新・花の百名山』では、甲武信岳の花として紹介されているようだが甲武信岳に夏に登った時にも、
他の山でも見かけたことはなかった。
この御岳山の群生地は厳重に保護されているのか、または播種等をして繁殖させているのだろうか。

同種であってもミスミソウのように個体差が大きいらしく、花の形や色が個体ごとに異なっている。
本社や大口真神社のあたりをぐるぐるして友人と色々な花を比べて、一番きれいなのはこれだね、というのを見つけた。
全体的に白っぽくて、花も大きい。

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神社付近は全体的に霞がかかってきていて、その中で雫滴るレンゲショウマの花を観賞していると、
今日ここでこういう風に過ごせている幸せを感じる。

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武蔵御嶽神社は酉年が特別な年で「酉年式年大祭」が執り行われると昨年知ったので、
今年は今回で3回目の参拝になるがご利益があったのかもしれない。
自分も酉年生まれなので、この「酉年式年大祭」を知ってから武蔵御嶽神社にはより不思議な縁を感じるようになった。

いつもロックガーデンに来るとよく見る滝と別の滝があるらしいのだが、よく分からない。
せっかくなのでその滝を目指してロックガーデンも少し歩いてみることにする。
そのもう一つの滝というのが綾広の滝だと思って向かっていたのだが、天狗岩のところに着いて地図をみたら
いつも見ていた滝が綾広の滝であることが分かった。
そしてそのもう一つの滝である七代の滝はこの天狗岩から下ったすぐのところであることが分かりちょうどよかった。
階段を下り着いてみると、綾広の滝よりも高低差はないが、勢いのいい滝だった。
滝からは涼しい風が吹き出してきていてとても気持ちがいい。
友人が故郷から買ってきてくれたお菓子を食べつつ、周囲で見つけたタマガワホトトギスを見ながら暫し憩う。

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この七代の滝、もしかしたら昔ロックガーデンを歩いた時に見たかもしれないけれど、見ていないかもしれない。
記憶が定かでなくなっている。
友人も昔ロックガーデンで転んだという記録があるらしいが、それがどこかはもうわからないなんて話をしつつ歩く。
なんかいろいろなことがどんどん過去に消えていくのが怖い気もする。

武蔵御嶽神社周辺ではレンゲショウマに注目している人は少なかったのだが、
群生地である富士峰園地まで戻ると、写真撮影をしている人が大勢いた。

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レンゲショウマを目的に来た人は、この富士峰園地を目指してくるようだ。
ここで撮影している人たちはほとんどが一眼レフで、撮影を目的に来たことが一目瞭然だった。
確かに神社周辺よりは自然に群生している感じがして風情がある。
レンゲショウマは富士峰園地のピークの北側に群生していようで、
これはカタクリが氷期のレリック(残存種)であることから北斜面に群生するのと同様のことなのかちょっと気になった。

思ったよりゆっくりとレンゲショウマを観賞したので、ケーブルカーで下るころには昼過ぎになった。
下りでケーブルカーに乗ったのはもしかしたら初めてだったかもしれないが、運転手さんのアナウンスが面白い。
どこかのケーブルカーかロープウェイで名物車掌さんがいるという話を聞いたことがあるが、
観光地の乗り物のアナウンスはこういう風にユーモアがあるといいなぁと思った。
帰りは奥多摩駅に移動して、もえぎの湯と駅前のビアカフェバテレで打ち上げ。
今年は夏らしい暑さがないまま、なんだかあっという間に夏が過ぎていく感じがして寂しい感じがしていた。
でもそんな夏の終わりにひとつ夏のいい思い出ができたような一日だった。
もえぎの湯ではハイカーよりも多摩川でのキャンプの人たちがたくさん入浴しているようで、夏休みの子供たちもたくさんいた。
この子供たちも夏休みのいい思い出がたくさんできたのだろう。
帰りの電車では、窓に打ち付ける激しい雨。
その雨を見ながら、どんどん過去は過ぎ去っていくものだけれど、消えて行ってしまうのではなく積み重ねていければと思った。

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  1. 2017/08/19(土) 23:59:21|
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土砂降りの合間の塩見岳―仙丈・甲斐駒・白峰三山が顕現

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↑塩見岳西峰から東峰を望む

結局太平洋高気圧が張り出さないまま迎えた今年の山の日。
昨年の初めての山の日は北アルプスの中心ともいうべき水晶岳~雲ノ平を歩いたので、
http://azmst.blog91.fc2.com/blog-entry-1064.html
第2回目となる今年の山の日は南アルプスの中心ともいうべき塩見岳を歩くことにした。
一緒に行く深田百名山フリークの友人は「塩見岳を登れば南アルプスはコンプリートだ」なんて宣っていたので
これからは深田百名山コレクターと陰で呼ぶことにしよう。
山の日からの3連休は関東地方はオホーツク海高気圧からの北東気流が流れ込んでいて小雨のぱらつく曇天が続きそうだったが、
中部~東海地方は湿った空気の影響で不安定な天気ながら、なんとか天気は持ちそうな予報だった。

山の日はお盆休みの初日になる会社が多いのだろうか、特急の指定は取りにくいので各駅停車で行くことにする。
そうすると青春18きっぷが使える時期なので、片道4000円のところが青春18きっぷ1回分の2370円で行けるし、
初日はバスが12時発なのでゆっくり行っても何の問題もない。
青春18きっぷは5回分うまく使い切らないともったいないが、先週、八ヶ岳の天狗岳に行き今回の友人とは別の友人と
2回分使っていたので、今回の往路で友人と2回分使い、復路は友人は特急を利用すると言っていたので、
自分1人で各駅停車で帰ればちょうどうまい具合に使い切ることができる。

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↑帰りの飯田線車内で車掌さんに改札してもらったら、手書きの記入だった。

八王子駅始発の中央本線松本駅行きに乗り、岡谷駅で中央本線から飯田線に乗り換える。
正確には岡谷駅~辰野駅は中央本線なのだが、岡谷駅~辰野駅間の中央本線の支線は飯田線と一体運行されているので、
もう岡谷駅~豊橋駅が飯田線といってもいいような感じだ。
伊那大島駅では思ったよりも多くの登山者が降り、やってきたバスはマイクロバス程度の大きさだったので
乗り切れるか心配だったのだが、2台来てくれたので余裕で乗ることができた。
バスの場合こんなに余裕をもって座れるのに、一般車やタクシーと違いゲートの奥の鳥倉登山口まで入れるので
かなりお得な感じがする。

三伏峠までは樹林帯を登っていく。
最初はカラマツの植林地だが、途中から亜高山針葉樹林に変わる。
さすがは南アルプス中南部だけあって標高を上げても亜高山帯が続き、雰囲気としては奥秩父を歩いている感じがする。
亜高山針葉樹の香り―フィトンチッドだろうか―を感じながら歩くのも好きなので気分がよい。
だんだんガスってきて、これはこれでいい雰囲気だと思っていたら雨が降り出し、あっという間に土砂降りになってしまった。
土砂降りのなか三伏峠小屋に到着。
小屋は思ったより混んでおらず快適だった。
消灯が19:30とかなり早かったが、久しぶりに山小屋で熟睡できた。

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雨は夜まで降り続き、翌日も雨かなと心配していたのだが、4時に起きると星空。
帰りのバスは14:25発なので余裕をみて薄明の中歩き出した。
全体的にまだ亜高山針葉樹林帯が続くのだが、三伏山や本谷山といったピークに出ると、塩見岳までの展望が開け、
これから歩く稜線を眺めることができる。
夜明けの頃までは中央アルプスや荒川三山あたりまでは見えていたが、雲がどんどん湧き上がってくる。
谷間にガスが流れてくると、一瞬ブロッケン現象が起きたりする。

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塩見小屋手前の展望が開けたところで、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、白峰三山が見えた。
仙丈ヶ岳と間ノ岳が甲斐駒ヶ岳のピラミッドを挟んで、堂々と対峙している。
塩見岳からこれらの山々を眺めたいと思っていたので、これでほぼ目的は達成された。

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塩見小屋まで来ると目の前に塩見岳のピークが見えたが、時折雲に隠れるようになってきたので気が急く。

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ホシガラスの声を聞きながらハイマツ帯を少し進むと、最後の岩稜帯となった。
雰囲気としては五龍岳といった感じだろうか。
そして三角点のある塩見岳西峰に飛び出ると、目の前に最高峰の東峰も見えていたので
雲にまかれる前に行ってしまうことにする。
東峰から北東方面を眺めても、そこはもう雲が湧き上がり、甲斐駒ヶ岳や北岳のピラミッドや、
堂々とした仙丈ヶ岳、間ノ岳の姿を見ることは叶わなかった。

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東峰には那智山青岸渡寺のお札が奉納されていた。
熊野信仰ということは、ここも山岳修験の場だったのだろう。
崖錐の砂礫地にはミヤママンネングサが群生していて、こういう群落は初めて見たが、
これも南アルプス中南部ならではなのだろうか。

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山頂にいる間にどんどん雲が湧いてきて、下るころには何も見えなくなってきた。
三伏峠小屋に泊まって早朝に登ってきてよかったなと思った。
少し高度を下げると雲からは出たが全体的に曇っていて、雲の間から夏の陽は時折射す程度だった。

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三伏峠に戻った頃には完全に曇天となり、通常のものより苞が小さいゴゼンタチバナが沢山咲いているのを見ながら
亜高山針葉樹林帯を歩いていたら、昨日のようにガスってきた。
急がないとこれはまた昨日のように降られてしまうかなと思っていたら残り2/10となったあたりで降り始めた。
残りも少ないしレインウェアは上だけでいいかななんて思って上だけしか着なかったのだが、
あっという間に土砂降りになり、ズボンはずぶ濡れになってしまった。
レインウェアを着るときは上だけなんていうのはダメなんだなと反省した。
行きも帰りも土砂降りに遭遇したが、ちょうど山頂付近を歩いているときに天気に恵まれたわけだ。

バスは帰りも2台体制で2台目のバスに乗ると、途中の駐車場でかなりの人が降り、乗客は我々を含めて4人だけとなる。
あとの2人は松川ICまで乗り、そこから高速バスに乗り換えるようだった。
ゆったりと寛いでいると、外は滝のような雨となっていた。

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  1. 2017/08/12(土) 23:59:45|
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迷走台風5号の襲来前に本沢温泉に入りに桜平~天狗岳へ

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↑根石岳山頂から幽かに西天狗岳が見えていた。

2年前八ヶ岳を真教寺尾根から赤岳・横岳・硫黄岳を経てJR小海線海尻駅まで縦走した時に通過した本沢温泉。
その時はすでに夕方であり、海尻駅まで無事にたどり着くことができるかという状況だったので
本沢温泉の野天風呂に入ることができなかった。
http://azmst.blog91.fc2.com/blog-entry-1010.html
この週末はあいかわらず日本の南で停滞し続けていた台風5号が九州南部で停滞しており、
あまり長いルートを歩くのはやめておいた方がいいような天気が続いている。
そのため本沢温泉に入りに行くのを目的に、寄れたら天狗岳にも行くというスタンスで歩きに行くことにした。

一緒に行く友人が本沢温泉に予約してくれたのだが、1泊2食付きにして4人集まれば
茅野市役所前から桜平まで送迎してくれるとのこと。
当日までに他に2名予約者が増えればそれを利用させてもらうことにして、
もし増えなければ茅野駅から渋の湯までのバスを使うつもりでいたのだが、
結局2名のまま増えなかったのに宿のご厚意で桜平まで送迎してもらえることになった。

青春18きっぷが使える期間なので中央本線の各駅停車で行くつもりだったのだが、起きたらなぜか1時間遅れ。
どうやら目覚まし時計のセットを1時間間違えたようで、一緒に行く友人は待ち合わせた電車に乗っていなかったので
かなり焦ったらしい。
以前自分もその時一緒に行くはずだった今回とは別の友人が寝坊して来なくて、
結局一人でスノーシューツアーに参加することになったことがあったが、まさか自分が同じことをするとは思ってもみなかった。
http://azmst.blog91.fc2.com/blog-entry-654.html
急いで電車を調べると、大月駅からスーパーあずさに乗ればなんとか間に合うことが分かった。
このE351系スーパーあずさは来年にも引退してしまいそうなので、6月に乗鞍に行った時もわざわざ乗ったのだが、
また乗れたのでちょっと嬉しかった。

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桜平は単に林道の終点地点という感じで、渋の湯のように建物があったりトイレがあったりするわけではなかったが、
少し進んだところに簡易トイレがあった。
おそらく夏山シーズンだけのトイレなのだろう。
渓流沿いを登っていくのだが、南から大量に湿った空気が流れ込んでいるため非常に蒸し暑く、汗が止まらない。

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見通しの利かない箕冠山から少し進むと、根石岳とその先の天狗岳が見えたので天狗岳まで行ってみることにした。
箕冠山と根石岳の間は平らな砂礫地になっていて、前に見た硫黄岳のもとと同じくらいのコマクサの群落地になっていた。

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根石岳に着く頃には陽も出てくるくらいだったので、景色を堪能しつつゆっくりしていたのだが、
少し経つとどんどん雲が流れてきて、天狗岳は見えなくなった。
小雨がぱらついてきたかと思うとだんだん本降りになり、自分は天狗岳は5年前に登っているのだが、
http://azmst.blog91.fc2.com/blog-entry-710.html
今回一緒に行く友人は前に悪天候で登れなかったということなのでなんとか東天狗岳まで進むと山頂で土砂降りに。
今回は残念ながらここまでにして今回一番の目的の本沢温泉に向かうことにした。

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雨は降っているものの、硫黄岳から歩いてきた箕冠山や根石岳が雲間から姿を現していて、
これはこれでなかなか趣のある眺めだった。

本沢温泉に到着した後、さっそく野天風呂に向かう。
登山道脇の野天風呂といえば、白馬鑓温泉や妙高山麓の燕温泉小金の湯なども見たことがあるが、
ここ本沢温泉は渓流沿いの斜面にいきなりあるのが印象深かった。
そして今回実際に入りに行ってみて、脱衣所なども一切ないことが分かり、
ここは野天風呂の中でも随一の「野天」ではないかと思った。

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大自然の中でいきなり裸になって入れる解放感はなかなかのもので、このまま変わらずにいてくれたらなあと思う。
湯温はけっこう高めで長く入れなかったので、もっと涼しくなってからまた入りに来たいと思った。
野天風呂は酸性の硫酸塩泉だが、山荘の内湯はアルカリ性の炭酸水素塩泉なので、両方の泉質を楽しむことができた。

夜は土砂降りになったのに、翌朝起きると気持ちのいい晴天。
でも九州を日本海側に抜けると予報されていた台風5号が九州南方から四国南方へと東に進み始め、
中部地方に近づいてくる予報に変わっていたため、宿泊者は皆早めに下山するようだった。
みどり池経由で稲子湯に向かうルートは途中湿地帯もある気持ちのいい亜高山針葉樹林帯だった。

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↑みどり池から天狗岳を眺める

稲子湯に着いた頃はまだ天気はもっていたが、2時間後JR小海駅に着く頃にはかなりの曇天になり、
小海線から八ヶ岳の姿を眺めることはできなかった。
そして帰りの中央本線の各駅停車で大月市付近を通過するときにはかなりの豪雨になっていた。
今回は台風の雨に直接降られる前にうまく本沢温泉を堪能することできた。
八ヶ岳はいろいろなルートで歩けるので、また違うルートで本沢温泉に入りに来ようと思った。

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  1. 2017/08/07(月) 23:59:40|
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羽田圭介『コンテクスト・オブ・ザ・デッド』 果たして「文脈」に縛られないことは可能なのか

2015年の芥川賞で芸人の又吉直樹と同時受賞したことで有名になったことをいいことに執筆活動に専念せず、
テレビ出演ばっかりしていると思っていた羽田圭介。

ただ、何かのテレビ番組で、テレビ出演するのは社会とのつながりを保つためであり、
社会とのつながりがなければ創作の範囲というのは狭まってしまうと話していて、
なるほどそれでテレビ出演しているのかと合点がいった。
今年3月からはテレビ東京の人気番組『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』の新シリーズのレギュラーにも抜擢されたが、
レギュラーになる前、羽田圭介が初登場した特別編をを見ていたらなかなか人間性にも魅かれるものを感じた。

その昨年11月放映のローカル路線バス乗り継ぎの旅の特別編「熱海~金沢 人情ふれあい珍道中」で
新作の『コンテクスト・オブ・ザ・デッド』のプリントをしたTシャツを着ていたので、読んでみようかなと図書館で予約。
それが、思いのほか早く順番が回ってきた。

読み始めて分かったのが、これが本当に比喩ではなくゾンビの出てくるゾンビ小説だったのだ。
ゾンビに襲撃されたり、ゾンビを「適切に処理」する場面なんていうのがでてきて、こういうのはけっこう苦手なので
本来途中で投げ出してしまう部類の小説になるのかもしれないが、それ以上に同世代である作者の社会に対する視点が
自らのものと似通っていることもあり、面白く読了することができた。
思えば同世代の作家の小説を読んだのは初めてかもしれない。

自らの視点で語る主要登場人物は複数いるのだが、作家が2名、作家志望が1名、編集者が1名というところは
やはり作者自身であったり、作者の周辺人物からそのモデルが取られているのだろう。
ただ、その他に区役所でケースワーカーとして働く主要人物がいて、その人物からの視点というのがけっこうリアルで、
ここに作者の社会とのつながりを保ち広げようという努力の成果が表れている気がした。
おそらくきちんとケースワーカーに取材をしたのだろうし、その人からの視点を表現できるというところに作家としての
力量を感じた。

ゾンビが現れても、その脅威を直視せずに面白おかしく取り扱って恐怖を紛らわせてしまうテレビや週刊誌などのメディアも、
オウム真理教の一連の事件の時や、原発事故の時のことを思い起こさせる。
人間のゾンビ化が原発の影響ではないかということで、「Noゾンビ No原発」を訴える高校生たちがデモをするなんていう
ところは現代高校生にしてはずいぶん社会活動に積極的だななんて思ったが、高校生から20年も経過した自分の方が
「現代高校生」の生態に疎いのかもしれない。
無意味な「ウィー」という言葉で仲間の連帯感を確認しあう現代大学生の生態なんて全く知らなかった。

現代社会に充満するコンテクスト―文脈、空気に対して無批判に流される人々に対する批判というものが作品の主題であり、
流行語が「忖度」になりそうな昨今、時代を先取りした小説だったのかなと思う。
サッカーのW杯で大騒ぎして応援する若者たちを批判的に見る作家や編集者も実はその世界でしか伝わらない「文脈」に
染まり切っている。
(このサッカーの応援のところで出てきたブブセラなのだが、これは2010年のFIFAワールドカップ南アフリカ大会でしか
使われなかった南アフリカ特有の楽器かと思っていたのだが、その後定着したのだろうか?
作者がW杯に詳しくないのか、自分がW杯を見ないから知らないだけなのかよく分からない。)
間違えたくないから何でもネットで検索して、自らの感想すらネット上の感想で置き換えてしまうという現代人は
ますます社会の「文脈」や「空気」に流されやすくなっているのだろう。

ゾンビ化した世界で、風力発電を神として崇める団体がでてきたり、自警団的な閉鎖的な団体がでてきたりというのは
確かに「想定される」し「知っていた」気がする。
作家志望の登場人物が北海道をさまよいつつこういう団体に次々会う記述は少し冗長な感じがしたが、
この作品自体も「文脈」から逃れられていないことを示しているのだとしたら秀逸だ。

結局、「文脈」「空気」に流されない自ら考えることのできる人間がゾンビにならなかったということが、
最後にかなり説明的になりすぎる感じで解明されていたが、果たして「文脈」に縛られないで生きることが可能なのだろうかと
疑問に思った。
あるラジオパーソナリティがゾンビにならない人間として出てきていたが、その人物は果たして自らの考えでオリジナルに語る人間なのだろうか?
ゲストで先輩芸人が出てきたときにはいつもとは違って歯切れが悪かったという描写があったように、
やはりその場の流れを読むことをせずには社会的に生きていくことは不可能なのではないか?
なんて思っていたら、最後にゾンビにならないと思われていた人もなんだか「青く見えた」というところで話が終わっていて、
うん、これはなかなかよくできた小説だったなと思った。

羽田圭介の芥川賞受賞作『スクラップ・アンド・ビルド』も図書館で予約してあるので、早く順番が回ってこないか楽しみだ。


「小さな一画に予約資料貸し出し棚がある。
同じ単行本の背表紙をいくつも見つけた。
ある有名ミステリー作家の最新刊に至っては八冊もあった。
貸し出し中だったりインターネット予約で区内の他図書館が受け取り場所に指定されている分も含めれば、
同じ本が一区で二〇冊程度は買われたと予想できる。
分館も含め区内の図書館数は九館だから、一つの資料は一館につき一冊しか購入しないとい原則が破られているのは明白だ。
無料貸本屋か。
(中略)
本を買う時代は、終わったらしい。」
 
羽田圭介『コンテクスト・オブ・ザ・デッド』より

テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

  1. 2017/08/05(土) 13:54:57|
  2. TV・ラジオ・音楽・本・映画
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不順な夏、というか梅雨の時期が変わってきている

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7/19に中国四国地方から関東甲信地方まで一気に梅雨明け発表(速報値)がなされたが、
その後南海上にある台風から大量の湿った空気が流れ込み、関東地方は曇りがちの天気が続いている。
先週はそんな曇天の中木曽駒ヶ岳へ予定通り行ってきたが、今週末になっても太平洋高気圧の張り出しは強まらず、
台風5号は迷走し続け、そんな気圧配置が続いたままだ。

先週より天気は悪くなりそうなので、土曜日に予定していた山行は中止に。
昨年も7月の天気はこんな感じだった気がする。
ここ近年関東甲信地方の梅雨の時期が6月上旬~7月中旬ではなく、6月下旬~7月下旬に移行しているのではないかと思う。
感覚としては、梅雨の時期は6月ではなく7月だ。

土日とも雨が降ったりやんだりの天気みたいなので、読書をしたり、今まで通っていたスポーツジムが今月末から移転して
土日の昼間も使えるようになったので、そこで時間を潰して終わってしまうかななんて思っていたのだが、
日曜日に友人たちから今後の登山の予定を立てようというお誘いがあったので、17時から友人宅へ。
そこで友人たちが用意してくれた食材で簡単な料理を作ったりして話していると、あっという間に23時になっていた。
あっという間に6時間経っていたわけだ。
店ではこんな長居は考えられず、場所を提供してくれた友人に感謝したい。
どこにも行かず終わってしまいそうだった週末が、最後の最後で楽しく過ごせたので、来週も頑張れそうだ。

テーマ:日記 - ジャンル:日記

  1. 2017/07/30(日) 23:59:54|
  2. 季節・日々のあれこれ
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